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LGBTを取り扱ったエンターテインメント 小説

LGBTを取り扱ったエンターテインメント 小説活字から広がるLGBTの世界は、私たちの想像力を刺激し、ドラマや映画とは違った至福の時間を提供してくれます。本さえあれば、いつでもどこでも楽しめるのが読書のよさ。物語の世界に入り込むことで、登場人物たちとの交流を楽しみ、疑似体験をも出来るでしょう。LGBTの方もそうでない方も、本から学べることはたくさんあります。小説を通して、LGBTをはじめとする性的マイノリティへの理解が広がっていくとよいですね。

『大リーグ・ドレフェス事件 二遊間の恋』

実話がベース。スポーツ選手のリアルな同性愛『大リーグ・ドレフェス事件 二遊間の恋』
(ピーター・レフコート/石田善彦 訳)
原本:The Dreyfus Affair: A Love Story

球界を代表する名選手、ランディ・ドレフュス。長打力、打率とも素晴らしく、守備も抜群のランディとコンビを組むのは、黒人の名二塁手DJです。美しい妻の夫であり、かわいい双子の娘の父でもあるランディの生活は、ある出来事をきっかけに一変します。自分の恋愛対象は女性のはずなのに、チームメイトであるDJに惹かれる自分に気づき、戸惑いながら悶々とした日々が始まります。有名大リーガー選手による、人種と性別をこえた禁断の同性愛を描いたラブストーリー。

『このささやかな眠り』

ゲイの弁護士が活躍する、人気ミステリー『このささやかな眠り』(マイケル・ナーヴァ/柿沼瑛子 訳)
原本:The Little Death

主人公リオスは、ヒスパニック系の弁護士。薬物中毒の青年ヒューと拘置所で出会い、恋に落ちます。しかし、まもなくして死体で発見されることとなる、ヒュー。事故死として処理されそうになったヒューの死に疑問を抱き、その謎を解明しようと弁護士リオスが奮闘するミステリーです。

『片思い』

性同一性障害の葛藤を描くミステリー『片思い』(東野圭吾)

主人公の西脇哲郎は、スポーツライター。学生時代に所属していたアメフト部のマネージャーだった理沙子と結婚生活を送っていました。そんなある日、かつての女子マネージャーの一人である、日浦美月と再会。実は、彼女は性同一性障害であることを打ち明けます。そして、その彼女はさらにもう一つの大きな秘密を告白。青春を共に過ごした仲間との交流を通して、トランスジェンダー、夫婦愛を描くミステリー小説です。

『ナチュラル・ウーマン』

甘く切ない女同士の恋『ナチュラル・ウーマン』(松浦 理英子)

後に漫画家になる主人公の村田容子と、諸凪花世の大学時代の恋愛模様を描いた短編小説。
1994年に同タイトルで映画化されました。シリーズに「微熱休暇」、「いちばん長い午後」があります。

『マラケシュ心中』

レズビアン作家が描く同性愛『マラケシュ心中』(中山 可穂)

歌人である、緒川絢彦は、男の名を名乗り同性愛の短歌を詠むレズビアン。絢彦を取り巻く環境での三角関係が綴られています。恩師の妻に対する絢彦の痛々しいほど情熱的な愛が描かれた小説。

『きらきらひかる』

妻と恋人の三角関係『きらきらひかる』(江國 香織)

お見合いで出会った医師の睦月と結婚することになった、主人公の笑子。結婚を決めた二人ですが、実はお互いに秘密を抱えていました。アルコール依存症の笑子、同性愛者である睦月、そして、睦月の恋人である紺。幸せと現実の苦悩が入り混じった3人の奇妙な三角関係を描いた物語です。この小説が原作とされた映画は、小説発表の翌年に公開されています。

『仮面の告白』

日本を代表するゲイ文学『仮面の告白』(三島 由紀夫)

性的マイノリティに悩む「私」を綴った自伝的、長編小説です。同性愛者である顔を隠し、異性愛者の仮面をつけて演じて生きる姿が描かれた作品。露骨に同性愛をテーマに取り上げたこの小説が、当時の日本文学で大きな話題を呼んだことは言うまでもありません。

『禁色』

偉大な日本文学として語り継がれる男色小説『禁色』(三島 由紀夫)

「仮面の告白」と並び、赤裸々に同性愛を描いた三島由紀夫の代表作です。裏切りから女性不審になった老作家とゲイの美青年が協力し合い、女性への復讐を企む物語。